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中国茶について

中国茶の分類、六大分類とは

緑茶(lu cha)

緑茶の特徴
発酵度不発酵
香り草・豆
代表茶龍井、碧螺春、雨花茶、黄山毛峰など

今ある中国茶の中でもっとも古い歴史を持っている代表的なお茶です。中国茶の生産量の70%を占め、
生産高、中国国内消費量共にトップの座を占めますが、もちろん種類も豊富です。

緑茶は、茶摘後、茶葉の成分であるカテキンを熱処理によって酸化発酵をさせないお茶です。
そのために茶葉の色がそのまま保存されます。直接茶葉をコップや蓋碗などに入れて、そのまま飲むのがポピュラーです。お湯の色も淡く、渋みの少ないさっぱりとした味わいです。

緑茶はさらに籠に入れて炭火で乾燥させた[火共]青緑茶(きょうせいりょくちゃ)、鉄の釜で炒って殺青・乾燥させた炒青緑茶(しょうせいりょくちゃ)、蒸気によって殺青をする蒸青緑茶(じょうせいりょくちゃ)、日光に晒して殺青をする晒青緑茶(さいせいりょくちゃ)に区分できます。

炒青緑茶は、平坦な鉄の釜で炒りあげ青殺し、揉捻したのち再び釜で炒り乾燥させて作られるものです。
出来上がった茶葉の形状で、「長炒青」、「円炒青」、「細嫩炒青」、「扁炒青」に分類することが出来ます。
長炒青は、茶葉が細長く(「長条形」といわれます)、主な産地は浙江省(杭緑炒青)、安徽省(屯緑炒青)、江西省(ム緑炒茶)などです。

これらの長炒青は、眉茶と総称されており、珍眉、風眉、秀眉、貢熙、片茶、末茶などと呼ばれています。

円炒茶は、小さなころころとした丸い形に仕上げたお茶です。浙江省の「平水珠茶」が代表的なお茶です。
細嫩炒青は、芽の部分を丁寧に摘んで仕上げたもので種類も多く、龍井、碧螺春、雨花茶、廬山雲霧茶などがあげられます。
なお、扁炒青は、釜で押しつぶして作るお茶のことで、細嫩炒青と扁炒青はかぶるものが多くあります。

[火共]青緑茶は、茶葉を釜で炒りあげ青殺し、茶葉を籠に入れ炭火等で炙り乾燥させて作られるものです。
そのまま[火共]青と称される茶と細嫩[火共]青と呼ばれるものがあります。

[火共]青緑茶は花茶の原料とされることが多いのですが、細嫩[火共]青は、黄山毛峰のような芽に白毫があるしっかりとした茶葉であるものが多く見受けられます。
黄山毛峰以外にも敬亭緑雪などがあります。
望府銀毫、漢水銀梭、午子仙毫は、炒青と[火共]青を組み合わせた製法のお茶もあります。

晒青緑茶は茶葉を釜で炒りあげ青殺した後、日光を用いて乾燥させしあげるお茶です。
その多くが、散茶で飲まれるより黒茶の緊圧茶に加工されることが多いといわれます。

白茶(bai cha)

白茶の特徴
発酵度微・弱発酵
香り果物
代表茶白毫銀針、白牡丹、寿眉

新芽の白毛が多い品種を使う、発酵度のとても軽いお茶です。

太平天国の時代(1857年頃)に創始されたと言われています。

歴史上に現れたのは、宋代の徽宗帝(在位1100~1125)の時。しかし当時の白茶は製法が異なるようです。
「淡香淡味」が特色の、お茶の湯色は他よりも淡く、味もあっさりとしていて飲みやすいお茶です。
高級なお茶は、香りも良い美味しいお茶です。しかし、カフェインの含有量は高め。

中国でも様々なお茶を飲み尽くして飽きた、通の人が飲むとされていますが、香港などでは、飲茶に白牡丹、寿眉などが飲まれています。
白毫銀針はガラスコップで、白牡丹、寿眉はポットで入れて楽しむのが一般的ですが、もちろん入れ方には様々な方法を用いることが出来ます。

主に福建省が北部一帯が産地です。
福鼎大白種、政和大白種などの品種を利用して作られる「大白」、水仙種からつくられる「水仙白」、福鼎用菜茶から作られる「小白」があり、茶葉の採摘方法から、芽だけの一芯一葉を加工した「白芽茶」と、一芯二葉、三葉を加工した「白葉茶」の2つに分類されます。

白茶は、摘んだ茶葉を円形の水篩平籠やゴザに広げしおらせ、焙籠に紙を敷いて弱火で乾燥させ、発酵を止めるという非常にプリミティブな製茶法を用います。
「揉捻」を行って強制的に発酵を促すようなことをせず、「萎凋」の段階でゆっくりと発酵を進ませるのが特徴です。そのために、わずかに発酵するので、「弱発酵茶」とよばれます。

芽の部分を摘んで、日光の元でさらしたり(日光萎凋)、室内で空気にさらしたり(室内萎凋)して、水分を90%程度まで飛ばし、最後に[火共]焙して乾燥仕上げを行っています。

採摘(茶葉を摘みます)→萎凋(日光や室内で自然乾燥します)→乾燥(仕上げの乾燥をします)

黄茶(huang cha)

黄茶の特徴
発酵度弱後発酵
香り果物
代表茶君山銀針(湖南省)、蒙頂黄芽(四川省)、霍山
黄芽 (安徽省)、温州黄湯(浙江省)など

日本ではあまり知られていない、軽度の後発酵茶です。一説には古代からあるとされていますが、実際には明代の文献上(1571)に初めて黄茶の製法が現れたといわれています。
18世紀には製法が完成され、湖南省の洞庭湖にある君山島で採れる君山銀針が、製品として名高いとされています。

性質は「緑茶」と「黒茶」の中間で、どちらかというと「緑茶」のほうに近い位置にあり、「黄湯黄葉」が特色と説明されています。

芽だけを使った「黄芽茶」(君山銀針、蒙頂黄芽など)、若葉でつくる「黄小茶」(北港毛尖など)、少し大きくなった硬い葉を用いる「黄大茶」(霍山黄大茶など)の3つに分類されます。

製造工程が他のお茶とは異なり、「悶黄(もんおう)」という湿った茶葉を放置し意図的に軽発酵させる工程が加わっています。

半分よりやや多く水分を乾燥させた後、茶葉を積み重ね、紙や湿った布をかぶせて高温多湿の場所に放置します。それによって、茶葉は、酸化発酵ではなく、酵母菌の作用で軽く発酵(「後発酵」)します。

悶黄の作業は1回だけの場合もありますが、独特の香りを出すため、数十回ほど繰り返し行われる場合もあります。

採摘(茶葉を摘みます)→殺青(発酵を止めます)→揉捻(茶が出やすいように揉みます)
→初[火共](軽く乾燥させます)→悶黄(菌で発酵させます)→復[火共](再度火入れをします)
→悶黄(再度、菌で発酵させます)→乾燥(仕上げの乾燥をします)

青茶(qing cha)

青茶の特徴
発酵度半発酵
香り花、果実、乳
代表茶文山包種茶、鉄観音、鳳凰単叢、武夷岩茶、東方美人など

日本でも有名な烏龍茶を代表格とする、半発酵茶(不完全発酵茶)が青茶です。
清代(1855~)に製法が確立され、緑茶の「鮮爽慈味」と、紅茶の「濃厚香気」を併せ持つ、福建省・広東省・台湾に集中して生産されるお茶です。

東南アジアを初め各地に広がって行った華僑が好むことから、青茶が世界に広まったといわれています。

半発酵といってもその幅は広く、8%程度(包種茶)から80%(紅烏龍)程度まで幅があります。
そのため、味や香りのバリエーションも非常に豊かで、発酵度が高くなるにつれて、香りや味も淡いものから芳醇なものへと変化します。

青茶の主要生産は、福建省北部の武夷山(武夷岩茶)、福建省南部の安溪(鉄観音、黄金桂など)、広東省北部(鳳凰単叢、嶺頭単叢など)、台湾の(凍頂烏龍茶、高山茶、木柵鉄観音、白毫烏龍)です。

基本的な製造工程は、「日光萎凋(日光に晒す)」、「浪青(日影での萎凋)」、「作青(室内での萎凋)」の順に組み合わせて水分を蒸発させ茶葉をしおれさせます。
室内に茶葉を移して発酵を促進させるために茶葉を手(回転籠の場合もある)で攪拌し茶葉の表面に傷をつける「揺青」という行程を経て、ドラム式の殺青機にかけて発酵を止め、その後強く茶葉を手や揉捻機でもみ、最後に焙籠で[火共]焙し乾燥仕上げします。

茶葉を日光にさらす過程で、茶葉が深い緑(「木々が青々と茂る」で使われる「青」。深い緑という意味があります。)に変化することから「青茶」と呼ぶようになったといわれています。
茶葉の周りが薄っすらと発酵した「三紅七緑」のものがいいとも言われます。

黒茶(hei cha)

黒茶の特徴
発酵度後発酵
香り木、苔
代表茶プーアル茶、六堡茶など

英語でBLACK TEAというと紅茶を意味しますが、中国では黒茶そのものが存在します。

晒青緑茶を蒸して型で固めた、典型的な後発酵茶です。
文献上に初めて現れたのは北宋時代(1074)ですが、モンゴルなど内陸部への輸送の便を考えて作られたことから、「緑茶」と同様に歴史の古いお茶です。

タンニンの多い大葉種で作られるためそのままでは飲みにくく、緑茶を放置してタンニンを減少させたものが、このお茶の始まりであると言われています。
したがって、放置している間に自然に酵母菌がついて後発酵したお茶だといえますが、近年故意に菌を付けて黒茶を製造していることから、緑茶ベースのものを「生茶」、人為的に菌発酵(握堆)させたものを「熟茶」と呼んでいます。

黒茶には、散茶のものだけではなくむしろ固形にされた茶が多く見受けられます。
フリスビーのように円盤型に固形にされたお茶を「餅茶」、お碗型のようなものを「沱茶」、レンガのような形のものを「磚茶」などと呼びます。

製造工程は、熟茶の餅茶の場合、茶葉を萎凋させた後、殺青を行い揉捻した荒茶を握堆(水をかけて茶葉を湿らせ、堆積させて麹黴などを繁殖させる行程。途中なんどか攪拌する。)させ、再度揉捻した後プレスし固形にします。その後自然乾燥させます。

生茶の場合は、晒青緑茶や炒青緑茶を蒸気で加熱し湿らせ、軽く揉捻した後、プレスし固形にします。
その後自然乾燥・自然発酵させます。

主要な産地は、雲南省、四川省、湖南省、安徽省などで、それぞれ作られるお茶は非常に特徴があります。
その中でも有名なのが雲南省のプーアル茶で、形も様々です。

紅茶

紅茶の特徴
発酵度全発酵
香り花、果実
代表茶祁門紅茶、川紅、英徳紅茶など

イギリスの紅茶文化を発展させた、全発酵のお茶です。
明末・清初(1643頃)に創製され、そのころ東洋と接触を始めていたヨーロッパ人の嗜好にあったことから広く普及した、世界のお茶文化の源泉のお茶です。

工夫紅茶、小種紅茶、紅砕茶に区分できます。

工夫(コンフー)とは丁寧に時間と労力をかけ作る紅茶という意味で、高級紅茶の代名詞のようになっています。
手間がかかるだけあって、生産量は少量で高価です。中国を代表する紅茶の多くは工夫紅茶であり、安徽の祁門紅茶は世界を代表する紅茶といえます。
このほかにも、雲南省の[シ眞]紅(ディエンホン)、四川省の川紅(センコウ)、福建省の三大工夫(「坦洋」「政和」「白琳」)などが有名です。

小種紅茶は、正山小種(福建省の桐木関産)、外山小種(桐木に隣接した他地区産のもの)、煙小種の三種しかなく、市場はとても小さいといわれます。
大葉種を松の木や桐の木で燻焙した煙臭の強い紅茶で、ヨーロッパに主に輸出されています。

また、紅砕茶は、紅茶の茶葉を小さく裁断した茶葉で、製法は工夫紅茶の工程を簡素化したものが主流で、大量生産されティーバッグなどにも利用されています。広東省の英徳紅茶がこの代表です。

「紅湯紅茶」が特色で、華南地方の人々にとっては日常茶です。しかしヨーロッパなどとは違って、ミルクや砂糖はいっさい用いなく、これを中国風に味わうのなら、茶壺(急須)を利用し、そのままストレートで飲むのがよいでしょう。

花茶

花茶の特徴
発酵度半発酵
香り
代表茶茉莉花茶、菊花茶、桂花茶、錦上添花など

花と一緒に加熱し花の香り緑茶、白茶、青茶などに着香したものや、ブレンドしたもの、茶葉を糸などで結わえ中に花を仕込んだもの(工藝茶)など、様々な花茶が存在します。

一般的には、安徽省や福建省の香りを吸いやすい[火共]青緑茶を原料とし、ジャスミンの蕾(半開きのもの)で摘まれたものを開花させ、茶葉と交互に積み重ね寝かせた後、繰り返し堆積攪拌をおこない、翌日になってから篩いを使い花と茶葉を分けます。

この工程を何度も繰り返し行うものが高級なジャスミン茶となります。

工藝茶は、安徽省の汪芳生氏が開発した黄山緑牡丹によってスタートしたお茶です。

製茶し乾燥する前の茶葉を一本ずつ糸などでくくり、釜を使って丁寧に人手により乾燥整形される手間のかかるお茶です。

その後、菊などの様々な花が仕込まれるようになり、現在では様々な工藝茶が存在しています。

台湾茶の分類、四大台湾茶とは

文山包種茶

文山包種茶は、約150年前に中国福建省安渓で作られ始めました。
出来上がったお茶を紙に包んで出荷したというのが、包種茶の名前の由来だと言われています。

1881年、福建省の茶商である呉福源氏により、台湾北部の台北県文山地区に包種茶の製造方法が伝えられ、同時に本格的な輸出も始まりました。

現在では、発祥の地・安渓には包種茶は存在せず、台湾のみで作られているということです。

凍頂鳥龍茶

1885年、台湾中部の南投県鹿谷郷に住む林鳳池(りんほうち)が、「科挙」の試験を受けるために福建省に渡りました。そして、試験に合格して台湾に帰る際に、お世話になった人々へのおみやげとして、武夷(ぶい)の茶木の苗を持ち帰りました。
この茶木が品種改良され、台湾独自の青心烏龍種が誕生したのです。

その一部が鹿谷郷の凍頂山一帯で栽培され、お茶の栽培に最適な温暖な気候により、見事に育ちました。
これが凍頂烏龍茶の始まりとされています。

東方美人茶

西暦1800年代末に台湾を訪れた英国人が、当時の台湾烏龍茶の中から見つけ出したお茶であると言われています。

紅茶を愛飲する英国人にとって、このお茶の味は非常に衝撃的だったようで、ダージリン紅茶の最高級品にも存在しない"東洋の神秘"のお茶であるということで本国へ持ち帰り、時の英国貴族社会に紹介しました。

中でも、ビクトリア女王はこのお茶をいたく気に入り、『Oriental beauty』(オリエンタル・ビューティー)と命名したという伝説があります。

木棚鉄観音茶

鉄観音茶は、もともと中国福建省南部にある安溪の特産品で、300年近い歴史があります。
鉄観音種の茶木が台湾に伝来したのは、今から120年以上前のことです。

木柵の張迺妙(ちょうないみょう)・張迺乾(ちょうないかん)兄弟が、安溪から鉄観音の株1,000本を持ち帰り、樟湖山(現在の指南里)で栽培を始めました。それ以来、この地で鉄観音の栽培と製法が受け継がれています。